母の日におもう | |
「みんなの邪魔になると困ります」
やっと入園した幼稚園。3ヶ月で退園になりました
受け持ちの保育士さんがそっと見送りにきてくれました
「カズヒロくん、お母さんにブランコのれるところ 見せてあげようね」
怖がって一度も触らなかったブランコ
先生に深々と頭を下げるのが精一杯でした
役所からきた1枚の通知には
「就学を猶予します」 と書かれていました
「おひるねの時間に皆を笑わせるのでこまります」 保育所も断られました
「社会に必要とされていない・・・」
押入れにしまわれたままの ピカピカのランドセル
本当に社会に必要とされていないのか?
まだ幕は下ろせない 残された人生はあまりにも長すぎる
答えさがしの旅に出て40年になります
いま、ここに心から輝いている笑顔がある 息子たちがいる
「この世に生まれ来るものみな 必要とされている人たちなんだ」
母の日を迎えしみじみと味わっています
(文 鈴木利子)